【日産・ゴーン氏】イスラエル入国罪とは何?を分かりやすく解説!

カルロスゴーン社会・経済

保釈中にレバノンに逃亡した日産・前会長のカルロス・ゴーン氏。

レバノンの弁護士数名から「イスラエル入国罪」で告発されたと報道がありました。

イスラエル入国罪とは何なのでしょう?入国するだけで、なぜ罪になるのか?

気になる理由を、簡単にまとめています。

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イスラエル入国罪とは

カルロス・ゴーン氏が逃亡したレバノンでは、敵対関係にある「イスラエル」に入国することを禁止しています。

レバノン国民(国籍所有者)すベてに禁止しているため、ゴーン氏も該当していますね。

ゴーン氏は、レバノンと合わせて3つの国籍を持っています。

  • フランス
  • レバノン
  • ブラジル

仮に有罪になれば「最長で禁錮15年の刑を受ける可能性もある」と報道されています。

今回の結果は、検察側の判断で1月9日ころに明らかになるようです。

ゴーンはいつイスラエルに入国した?

そもそもゴーン氏は、いつイスラエルに入国したのでしょうか?

過去に、日産自動車と提携先のルノーは

2011年から新型電気自動車の販売を「イスラエルで開始する」と発表しています。

2008年1月21日、この電気自動車展開の合意、覚書を交わした場所が

「イスラエルのエルサレム」だったのです。

引用:AFP BB NEWS

画像は、イスラエルの投資家・アガシ氏、当時のイスラエル首相、ゴーン氏

この3人が、イスラエルのエルサレムで握手を交わす姿がしっかりと報道されています。

カルロス・ゴーン氏がイスラエルに入国したことは公になっていますので、これは誤魔化しようがないですよね・・・

ゴーンはレバノンになぜ入国できた?

2008年にゴーン氏がイスラエルに訪れたことは「明らか」な事実で、それを知っているレバノンは、なぜ入国を許可したのでしょう?

ゴーン氏はレバノン国内で、銀行・不動産へ莫大な投資を行ってきたと言われています。

当然ながら背景には政治力があってのことでしょう。

近く、レバノン当局がゴーン氏に事情を聴く動きがありますが、

レバノンのセルハン暫定法相は「ゴーン氏を日本に引き渡すことはない」と表明しています。

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イスラエル入国が罪になる理由とは?

イスラエルへの入国が罪になる理由は、その国がイスラエルと敵対しているから。

パスポートに、イスラエルのビザや出入国スタンプが押してある場合、

イスラエルと敵対している「アラブ・イスラム諸国」では入国を拒否されることがあります。

在ヨルダン日本国大使館のHPにも、以下の記載があります。

イスラエルの入国印がパスポートに押されている場合、

イスラエルと対立関係にあるアラブ諸国

イラク、レバノン、リビア、サウジアラビア、スーダン、シリア、イエメン、ソマリア

に入国することはできません。

このような理由によるパスポートの再作成はできませんので、十分ご注意願います。

アラブ諸国の入国印がパスポートに押されていてもイスラエルに入国することはできます。

引用:在ヨルダン日本国大使館HP

上記以外の「エジプト、ヨルダン」をのぞいたアラブ・イスラム諸国も、入国拒否の可能性があるようなので、訪れる場合は注意が必要ですね。

現在は “空路” での入国の場合には、スタンプを押されることがなくなり、入国審証カードが発行されるようになっているとのこと。

*状況は変わることがあるので、渡航予定のある方は要確認です。

レバノンとは?

レバノンは、一言でいうと「宗派や宗教」が争っている国。

レバノンでは18の宗教コミュニティがあり、そのうち3つの最大規模コミュニティが、政治の主要な3役職を分け合っている。

政治制度全体を宗教が握っていることが、最大の問題のひとつ。

と国内外で言われています。

BBCは昨年、レバノンは過去数十年で最悪の経済危機にみまわれている(国民の1/3が貧困ライン以下の生活を送っている)とも伝えています。

2019年は、レバノン・ポンドが下落したことで、タバコ・ガソリン、ワッツアップ(無料音声通話アプリ)にまで、新たに税金がかけられたそうです!

これにより、抗議デモが行われています。

レバノンとイスラエル

イスラエルと近隣諸国の問題は深く、宗教的な問題から未だ和解することはありません。

ですが、第二次世界対戦中の1943年にフランス統治から独立した頃のレバノンは、経済的にも安定・成長をしていた国だったようです。

1970年代ころから、レバノン国内では

パレスチナ人、イスラム教徒、マロン派キリスト教徒の3つが対立して内乱を繰り返していました。

パレスチナ勢力が流入するそれ以前からも、イスラム教 vs マロン派キリスト教勢力の間で内乱が繰り返されてきたのです。

隣国イスラエルとレバノンは、長きに渡り激しい衝突を繰り返してきました。

休戦していても小規模な軍事衝突は消えることがなく、現在も緊張状態にあるようです。

最後に

レバノンでは、敵対するイスラエルへの入国が罪にあたります。

現在65歳のカルロス・ゴーン氏が、仮に禁錮15年の刑を受けた場合、80歳となりますね。

ゴーン氏については他にも

  • トルコの航空会社に刑事告訴される
  • Netflixと独占契約を結んでいた

と、次々と新たな情報が飛び交っており、もはや「イスラエル入国罪」どころではなさそうですが・・・

今後の動きにも注目して行きたいと思います。