カルロス・ゴーン氏がレバノンの首都ベイルートで行った記者会見についてまとめています。
注目が集まるなか、立ち会えた日本のメディアは3社のみ。
気になる逃亡方法についてゴーン氏が語ることはありませんでした。
ゴーン記者会見の内容
日本で何があったのか、なぜ出国したのかを述べた会見となりました。
①日本での罪に対して言及

ゴーン氏はまず、自身は潔白(無実)であることを主張。
- そもそもまだ支払われていない報酬に対して逮捕されている。
- この事件は日産の「ある人たち」が仕組み、日本政府も関与する陰謀。ボスは検察。
- 予備費の「CEOリザーブ」を利用するには、自分以外の責任者(複数人)の承認サインが必要、単独では使えない。
- その証拠となる書類もあるが、PCも全て没収されて引き出せない。
- 中東で日産が利益を高めるには「トヨタ」もやっているように、現地のディーラーと組む必要がある。ディーラーに頑張ってもらうためインセンティブを与えるのは妥当だ。
このようなポイントで「不正は行われていない」ことを熱く語りました。
日本に来て日産を立て直した時は、凄腕経営者として取り上げられていたゴーン氏。
2004年に外国人経営者として初めて藍綬褒章を受章した、カリスマ経営者でした。
日本で17年働き、子供も日本で育ち、日本を愛していると言います。
それが突然「独裁者・犯罪者」扱い。以前よりゴーン氏はこの事件を
と言及していました。その「ある人たち」のうち6人を公表。
③主要人物・6人の実名を公表

- 西川廣人 > 前社長兼最高経営責任者(CEO)
- ハリ・ナダ > 専務執行役員
- 川口均 > 前副社長
- 豊田正和 > 社外取締役(元経済産業審査官)
- 大沼敏明 > 元秘書室長
- 今津英敏 > 元監査役
なかでも豊田氏については「政府当局と結びついている」としましたが、政府関係者の名前については明かさず。
「受け入れてくれたレバノン(政府)が困ることは言えない」
ただし、安倍首相が関わっているとは思わないと述べました。
②日本の司法制度の非人道性
ゴーン氏の妻キャロル・ハナスは、会見のときに最前列に着席していました。

ゴーン氏は、妻キャロルに会えなかったことをはじめ、公平ではないし人権もないと日本の司法制度を批判。
電話も通信機器も全て取り上げられ、精神的な拷問しかなかったのこと。
妻キャロルに関しては
- 妻にとても会いたかったが、接触を禁じられた。
- 妻に会えたのは9ヶ月で2時間だけ(弁護士同伴)。
- なぜ会いたのか?と問われたが説明の必要がないくらい当然のことである。
クリスマスも正月も1人で過ごすことになり、夫と妻の交流を遮断というのは、諸外国ではあり得ない状況です。
そこで日本が会見の前日に妻キャロルを逮捕した。
これは日本が「キャロルも犯罪に加担している」ことを国際世論にアピールするのが目的だと主張。
④メディアを限定した理由
記者会見に入れた日本のメディアは3社だけでした。
日本のメディアを嫌って排除したわけではなく「限られたスペースで限定する必要があった」としていますが、
客観的な立場で記事にしない、検察や日産側に有利な記事しか書かないメディアについては拒否をしたようです。
アラビア語、ブラジルポルトガル語、フランス語、英語に対して言語で答えていくゴーン氏の主張は、力強く自信に満ち溢れたものでした。
ゴーンが出国した理由まとめ
逃れたことは日本の法を犯していないか?という質問に、
検察はマスコミに情報をリークしたりと、10件の法律を犯して私を逮捕している。
正しいことを伝えない状況下で、そこにいることはできないと回答。
- 妻に会いたかった、判決が出るまで5年かかると言われた。
- 検察官から「自白すればすぐ終わる。自白しないなら家族も追い回す」と繰り返し言われた。
- 公平な裁判を受けられないと感じたので出国した。
ブラジルやレバノン、フランスでも公平な裁判は可能だろう、しかし日本ではできないだろうと答えています。
公正な判断がされない状況かつ、99%以上の有罪判決率。
妻にも会えず、このまま日本で死ぬのは嫌だと思ったのでしょう。
BBC記者からの質問に「裁判を受けるつもりはある。公正な裁判であればどこでものぞむ」と答えています。
ゴーン記者会見・海外の反応
BBC、CNNなどには、笑顔で回答していたゴーン氏。
各国は「ゴーン氏が逃亡に至った理由に対しては」理解を示す意見が多いようですが、「逃亡方法について語らなかった」ことに不満をもつ記者も。
会見に対して日本側は、地検HPに反論コメントを掲載。
森雅子法相も異例の会見を行い「潔白というなら司法の場で無罪を証明すべき、到底看過できない」と言及。
ゴーン氏はこれに対し「ばかげてる」と一蹴!
それが出来ないから逃亡したのですよね…、ゴーン氏の今後の展開に注目です。